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【薬物の世界史】生贄にされたスペイン軍捕虜の悲劇 | ダイアモンドオンライン

左巻健男 2021.8.29 4:20
https://diamond.jp/articles/-/280669

 一五一九年十一月、およそ三〇〇人の部下を率いたスペイン軍の指揮者エルナン・コルテスは、アステカ帝国の首都ティノチテトランに侵入した。
 このときの様子を従軍僧が詳しく記録していた。アステカ軍に捕らえられたスペイン軍捕虜の様子を引用しておこう。

 軍神ウィツィロポチトリ(Huitzilopochtli)をたたえる太鼓や笛、ラッパ、ホラ貝など、ありとあらゆる無気味な音があたりに鳴り響いた。その音響は、大ピラミッドの頂上からで、そこには、全裸のスペイン軍捕虜が、悪魔の神像の前に引きすえられ、あるものは、頭に羽毛を飾られ、扇を手にして奇妙な踊りをさせられていた。しかし、彼らは陶然として、夢うつつのように朦朧として踊り続けるのである。踊りがすむと、石の犠牲台の上に仰向けにねかされ、石ナイフで胸が引裂かれる。ぴくぴくと脈打つ心臓がつかみ出されると、香煙けむる石壇の上に供えられた。血まみれの死体は、足げにされ、百数十段もの階段から転げ落ちた。それを待ちかまえていたインディオたちはかけより、あたかも、屠殺される牛馬のように、腕や足を切断し、顔の皮をはぎ、生首を切り落した。
(『現代のエスプリ 麻薬』七五号、至文堂)
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