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サヘル・ローズさん「言葉の花束」インタビュー いじめ、孤独、家族に苦しむ人へ、いま贈りたい言葉 ー好書好日

2022.03.10

サヘル・ローズさん
 幼少期、7歳までを孤児院で過ごし、8歳の時に養母とともに来日した、俳優のサヘル・ローズさん。その後、差別やいじめ、貧困といった苦労や困難に遭いながらも、高校生の頃から芸能活動を始め、現在は国内外の孤児らの支援活動を行っています。壮絶な過去の経験から言葉を紡ぎ出すサヘルさんが、『言葉の花束 困難を乗り切るための“自分育て”』(講談社)を発売。著書に込めた思いをうかがいました。(文:かわむらあみり、写真:斉藤順子)
<中略>

――とくに衝撃だったのは「死にたくなってしまいそうなアナタへ」の章。中学3年間にいじめに遭い、ついに死のうと思って学校を早退して家に帰ると、いつもはいないはずのフローラさんが、コーランを抱え枕に顔を押し当てて泣いていました。「生きよう」という気持ちに変化した出来事だったそうですね。

 お母さんに「死にたい」と言ったときに、「いいよ」と言ってくれたんです。一緒に死のうとしてくれたこと。否定しなかったこと。普通は親って、子どもが死を選択したら止めるものじゃないですか。でも母は、出会った時から常に「どうしたい?」と、私の意見を尊重してくれる。無理矢理私を変えようとはしないんです。

 それまでも母は私を抱きしめてくれていたんですが、死を覚悟して抱きしめてくれた瞬間、「あれ? こんなに小さかったっけ?」とあらためて気づきました。誰しもが、いつも顔を合わせているようでいて、実は全然家族の様子に気づいていないことのほうが多いんです。イランでは裕福な家庭に生まれてお嬢様だった母が、日本では床掃除やトイレ掃除、重い絨毯を運ぶ、織るという仕事をして、ボロボロになっていたんですよ。そんな状態でも、いつも私の前ではニコニコしていました。







母の笑顔を守りたい 女優・タレント、サヘル・ローズさん著『言葉の花束 困難を乗り切るための〝自分育て〟』 ー産経新聞
2022/3/20 14:00

言葉とは何のためにあるのか。本来は人間関係を円滑にするツールであるはずなのに、ネット上の心ない投稿が人を傷つけ、命を奪うこともある。女優でタレントのサヘル・ローズさんの新著『言葉の花束 困難を乗り切るための〝自分育て〟』(講談社)では、いじめや差別という経験を通じて得た数々の金言が収められている。現代社会で凶器にもなり得る言葉の真の力について考えさせられる一冊だ。
<中略>

イラン・イラク戦争(1980~88年)の影響で肉親を失い、孤児院で育った。7歳で養母のフローラさんに引き取られて来日。小学生時代の一時期には公園で暮らすという貧困を経験し、中学生時代には習慣や文化の違いに起因するいじめや差別を受けた。